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2009年 09月17日 木曜日

コンテンツとは何か? 第5回「記録や伝送できる情報=コンテンツ?」

 当コラムも、なんだかんだで第5回を数えるようになった。今回のお題は、「記録や伝送できる情報」がコンテンツなのか?というものだ。

 では早速、恒例の単語調べである。まずは「記録」について調べてみたい。

(1) のちのちまで残すために物事を書きしるすこと。また、その書きしるしたもの。
(2) スポーツ競技などで、残された成績や結果。レコード。
(3) 古文書(こもんじよ)学で、古文書と区別して、特に公私の日記類をいう称。

引用 : 大辞林 第二版(goo 調べ)

 続いて「伝送」について調べてみよう。

(1) 次々に伝えて送ること。
(2) 電気信号を伝えること。
(3) 「宿継(しゆくつ)ぎ」に同じ。
 (人や荷物などを宿場から宿場へ人馬をかえながら次々に送りつぐこと)

引用 : 大辞林 第二版(goo 調べ)

 今回のケースでは、「記録」も「伝送」も (1) のケースを指していると言えるだろう。しかし、これまで例に上げた数々のコンテンツを思い出せば、すでに説明に合致してないものがあることに気づくはずだ。

 例えば、小説やマンガであれば、「書きしるす」ことができる。だが、写真は「書き記す」とは言わない。映画もそうであるし、音楽もそうである。写真や映画は「撮影」が、音楽は「録音」が、「書き記す」の代わりである。

 では、「書きしるす」ではなく、何と表現するべきか? 単に「記す」と表現すれば良いのではないだろうか?

 小説やマンガは紙に記し、映画はフィルムに記し、音楽はレコードに記すわけである。そして、紙、フィルム、レコードは、記すための媒体(メディア)である。デジタルコンテンツとなったときは、メモリが媒体となり、インターネットが媒体になるわけだ。

 そう考えていくと、彫像や石像やフィギュアは、木や石やプラスティックを媒体にして、立体造形を記したものと言える。さらには料理なんかも、食材や調味料を媒体にして、見た目や味を記したものとなってくる。

 だが、「記す」さえも説明に合わないコンテンツが存在する。それは「伝送」にも関わるものなので、先に「伝送」について考えてみたい。

 まず、小説、マンガ、映画、音楽は、デジタルコンテンツであれば、紙やフィルムやレコードといった媒体なしで「伝えて送る」ことができる。ゆえに、昨今のコンテンツビジネスといえば、電子ブック、動画、そして楽曲のダウンロード販売や、広告収益を源泉とした無料サービスが盛況だ。

 しかし、小説やマンガは紙に記してしまうと、紙ごと送らなければ「伝えて送る」ことはできなくなる。映画であればフィルムごと、音楽はレコードごと、「伝えて送る」ことになる。さらには、彫像や石像やフィギュア、さらには料理は、デジタルコンテンツ化すること自体が難しいし、これらは「伝送」というよりも「輸送」である。

 そうなると「次々に伝えて送る」ではなく、単に「送る」でも良いのではないだろうか? 「記録」のときに、「書きしるす」が「記す」だったのと同じである。

 では、コンテンツとは、「記す」ことができて、「送る」ことができるものということになるのか?

 その答えは、「記す」さえも説明に合わないコンテンツが存在すると書いたように、否である。しかも「送る」ことができないコンテンツさえ存在する。

 実は通産省が発表している資料の中に、すでに「記す」ことも「送る」ことも不可能なコンテンツが示されている。それは、テーマパークや遊園地である。

 コストを掛ければ、テーマパークや遊園地を移動させることは可能ではあるが、まず現実的ではない。そもそも、テーマパークや遊園地をコンテンツとするならば、名所旧跡もコンテンツと言えるわけで、そうなれば世界遺産なんてものは、移動させた瞬間にその価値を失ってしまう。また、温泉も、含まれてしまうと言える。

 しかもこれらは、「記す」の意味さえもない。

 人はコンテンツ産業と言われたとき、小説やマンガ、アニメや映画、そしてゲームといった一般的な商品を思い浮かべるのではないだろうか。しかし、コンサートや演劇、プラモデルやフィギュアも、コンテンツ産業に含まれる。さらに、先に書いたように、テーマパークや遊園地、名所旧跡や温泉もコンテンツとなる。

 そう考えていったとき、身の回りには数多のコンテンツが存在していることに気づくはずだ。ビジネスに役立てる以前に、すでにあなたのビジネスに、コンテンツに含まれているのではないだろうか?

 そして、「記す」も「送る」も意味がないことに気づいたとき、コンテンツの本当の意味に気づくことが可能になるわけだ。それについては、最後の第6回でまとめたいと思う。

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